2025.06.19
昔は見逃されていたこと ― 職場に求められる意識のアップデート
スーパーマーケット大手のロピアが納入業者に対し不当な要求を行っていたとして、
公正取引委員会が立ち入り検査を実施したというニュースがありました。
この件は小売業界特有の商慣習とも関わりがあり、「昔は当たり前」とされていたことが、今では許されない事案の一例といえるでしょう。
本稿ではその背景と、現代の職場に求められる意識の変化について考えます。
ロピアに対する立ち入り検査
ロピアは納入業者に対して商品の陳列を無償で手伝わせるなどの不当な要求を行っていた疑いがあるとして、
公正取引委員会から独占禁止法違反の疑いで立ち入り検査を受けました。
筆者自身も直前にロピアで買い物をしており、商品の質や量に感心していた矢先の報道でした。
店内は大勢の客で賑わい、行列整理の専任スタッフを置くほど活気にあふれていました。
炎上しにくい背景
近年は些細な出来事でもネット上で炎上しがちですが、この件についてはそこまで大きな批判は目立ちません。
その背景には、小売業界で同様の商慣習が珍しくないことや、業者と小売側の間で「持ちつ持たれつ」の関係が成立してきたことがあると考えられます。
筆者自身も学生時代、アルバイト先の洋菓子店から納品先のイベント呼び込みを手伝った経験があり、
当時は特に違和感もなく「非日常」として楽しんだ記憶があるほどです。
「昔は見逃されていた」ことの危うさ
今回の件を通じて浮かび上がるのは、昔は見逃されていたことが今は許されないという現実です。
重要なのは「かつて許されていた」のではなく、あくまで「見逃されていた」だけだという点です。
有給休暇の取得拒否
持ち帰り残業
強い言葉での叱責
こうした慣行は過去には「当たり前」とされてきましたが、令和の職場にその感覚を持ち込むのは非常に危険です。
管理職に求められる姿勢
特に管理者層には、良い習慣は残し、悪しき慣行は改めるという姿勢が必要です。
そのためには、常に知識と意識をアップデートし続けることが欠かせません。
名古屋支店
特定社会保険労務士 山口征司
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