2025.10.01
永遠に終わらない論争「賃貸 vs 購入」
就職して間もなく住宅を購入する若者が増えています。背景には、家賃の高騰があるようです。
「家賃を払い続けるくらいなら、ローンを組んでマンションを買った方が節約になる」という考え方が、選択を後押ししています。
「家賃よりローン派」の心理と真実
「家賃を払うくらいなら、自分の資産になるローンを払う方が良い」
私も何度も耳にしましたが、果たして本当にそうでしょうか。
実はこの議論、結論が出ることはありません。
なぜなら、人は自分の選んだ選択肢(賃貸か購入か)を正当化する心理が働くからです。
持ち家の特徴
メリット
資産になる可能性:ローン完済後は家賃不要。売却や賃貸収入も期待できる。
長期的な安心感:老後も住まいが確保される。
低金利の恩恵:住宅ローン控除や低金利時代の固定化が有利。
デメリット
初期費用の高さ:頭金や諸費用で数百万円必要。
固定費の継続:固定資産税、保険料、修繕費がかかる。
ライフプラン変更に弱い:転勤や家族構成の変化で住み替えが難しい。
資産価値下落のリスク:立地や築年数で売却益が出ない場合も。
賃貸の特徴
メリット
住み替え自由:転勤や家族構成の変化に柔軟対応。
初期費用が少ない:敷金礼金・引越し費用程度で入居可能。
メンテ不要:修繕は大家や管理会社が負担。
固定資産税不要:維持管理コストが軽い。
デメリット
資産が残らない:家賃を払い続けても自分のものにならない。
家賃上昇リスク:更新や相場変動で家賃が上がる可能性。
老後の契約ハードル:高齢になると新規契約が難しくなる場合も。
正解は「人それぞれの数字と価値観」
賃貸と購入、どちらにも数字では測れない価値があります。
購入のメリットとしてよく挙げられる「資産になる」という点については、実際には売却してはじめて現金化されるため、
住み続けている間は真の意味での資産と呼べるかは慎重に考える必要があります。
また、賃貸のメリットに挙がる「初期費用の少なさ」も、
近年の物価高騰の影響で敷金・礼金や引っ越し費用が上昇傾向にあるため、以前より負担が増えている点も留意すべきです。
選択のポイント
賃貸と購入は単純な「総支払額」だけでなく、「安心」と「自由」のどちらを重視するか、
自分たちはどのように生きていきたいのかにより変わります。
転勤やライフイベントが多い時期 → 賃貸の柔軟性が有利
定住を前提とする時期やマイホームが人生の目標の一つ → 購入の安心感が大きい
つまり、どちらが正しいという答えはありません。
大切なのは、「今のライフプランと将来像」に沿って数字と価値観の両面から判断すること。
そして、人口の減少により「住宅に関する需要は減るであろう」という事実を理解しておくこと。
一度、将来の収支やライフイベントを試算してみると、答えが見えてきます。
名古屋支店
特定社会保険労務士 山口征司
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