2025.10.22
続・「安全資産」ゴールドを、改めて見直す
以前のコラムでは、金の価格が1g=約17,000円に達したことを紹介しました。
その後も相場は上昇を続け、この記事を執筆している現在(10/10)では、1g=20,000円を突破し21,500円ほどで取引されています。
世界情勢と金の高騰
ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエルのガザ地区攻撃など、世界各地で地政学リスクが拡大しています。
一般的にこうした不安定な局面では、安全資産とされる金に投資マネーが流入し、価格が上昇する傾向があります。
いわゆる「有事の金」と呼ばれる現象で、戦争や恐慌など世界的な混乱時に価格が上がりやすいことが大きな特徴です。
しかし近年の金相場の動きを見ると、単に「有事」だけでは説明できない側面も見えてきます。
今回の高騰も、従来のセオリーとは異なる特徴を示しているのです。
セオリーから外れる動き
通常、金は値上がりすると利益確定のため売却が進む商品です。
ところが、最高値を更新して以降も購入の勢いは衰えていません。むしろ「1g=20,000円は通過点にすぎない」との見方すらあります。
実際、田中貴金属工業の銀座店では開店前から購入希望者が並び、売却ではなく追加購入を希望する人が多く見られます。
購入層も従来の40代以上中心から広がり、20代~30代が全体の約3割を占めるようになっており、金市場にこれまでとは異なる動きが生まれています。
金投資を改めて考える
日本では「貯蓄から投資へ」の流れを後押しするため、NISAやDC(iDeCo)に各種税制優遇措置が導入されています。
さらに昨年には、金融経済教育推進機構(J-FLEC)が設立され、金融教育の普及が進められています。
投資といえば株式を思い浮かべがちですが、金投資も身近な選択肢です。
金そのものを購入する方法に加え、金価格に連動する投資信託を通じて間接的に投資することもできます。
ゆびすいが導入している企業型DCにもゴールドファンドがあり、ここ数年の金相場の好調を反映して、直近1年の騰落率は全商品の中で最も高い数値を示しています。
長期投資としての金
足元の金価格は高値を更新し続けていますが、これからも上がり続けるかどうかは誰にもわかりません。
世界情勢や為替、各国の金融政策などさまざまな要因に左右されるからです。
だからこそ短期的な値動きに振り回されるのではなく、ポートフォリオの一部として「長期的に持ち続ける」視点が大切になります。
特に若い世代にも関心が広がっている今だからこそ、「なぜ金を持つのか」「どの程度組み込むのか」を冷静に考えることが必要です。
おまけ:私の金貨も成長中?
ちなみに、私が大事にしている、父から譲り受けた1/2オンスのメイプルリーフ金貨(有事用)。
前回の金コラム執筆時には26万円程度だったのですが、いまはなんと30万円近くに!
気づけば私の資産の中で一番元気なのは、この小さな金貨かもしれません(笑)
名古屋支店
特定社会保険労務士 山口征司
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