2025.12.10
“トヨタカレンダー”から考える、働き方の見直しポイント
世界のTOYOTA――
そのトヨタ自動車グループが、独自の勤務体系「トヨタカレンダー」を見直す議論を始めたそうです。
恥ずかしながら、私自身も愛知に転勤して初めて「トヨタカレンダー」という存在を知りました。
自動車業界では常識でも、一般企業では知らない人が多いこの制度。
実は、労働時間や休日の設計を考えるうえで非常に示唆に富む仕組みなのです。
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トヨタカレンダーとは?
自動車メーカーでは、生産ラインを止めずに効率的に稼働させるため、独自の稼働カレンダーを設けています。
トヨタカレンダーもその一つで、関連会社や部品メーカーまで含めて、稼働日を統一しています。
基本は「週5日稼働+2日休み」のサイクル。
祝日があっても出勤となることがありますが、その代わりにGW・お盆・年末年始は世間より長めの連休を設定。
つまり、メリハリを重視した“効率のカレンダー”なのです。
会社にもある?「年間カレンダー」と「労働時間設定」
正直、私自身も社労士になる前は、自分の会社に年間カレンダーがあるのかすら意識していませんでした。
おそらく、多くの社会人も同じではないでしょうか。
一方で、会社側も「慣習」で勤務を回していることが少なくありません。
たとえば、
「今日は2時間残業したから、明日明後日は1時間早く帰ってもいいよ」
といった“持ちつ持たれつ”のやり取り。
しかし――この柔軟さ、法律的にはNGな場合が多いのです。
変形労働時間制の落とし穴
労働基準法では、労働時間の上限を「1日8時間・週40時間」と定めています。
ただし、季節や業務の繁閑に対応するために、1ヵ月単位・1年単位等の変形労働時間制を導入することは可能です。
問題は、この制度を「なんとなく」導入しているケース。
制度の趣旨を理解せずに就業規則に書き込んでしまうと、運用が無効になり、未払い残業代のリスクが発生します。
実際、マクドナルドでも1ヵ月単位の変形労働時間制の不備が指摘され、未払い賃金の支払いが命じられた例があります。
導入しているけれど「仕組みがよくわからない」という会社は、今一度見直す必要があります。
情報化社会で変わる「働き方の言い訳」
今は誰でもネットで労務知識を調べられる時代。
「昔からこうやってきた」「みんな納得してた」では通用しません。
慣習で回してきた仕組みが、ある日突然「違法状態」として指摘されることもあります。
だからこそ――
自社の“働き方のカレンダー”が、法律と合っているか?
という視点を持つことが大切です。
“慣れ”を見直すタイミング
あなたの会社の勤務カレンダーは、法に沿って正しく設計されていますか?
“慣れ”や“善意”で回してきた仕組みこそ、今こそ見直す時期かもしれません。
名古屋支店
特定社会保険労務士 山口征司
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