2025.11.26
地元・堺から見たSHARPと街の移り変わり
先日行われた神戸マラソン2025に出場してきました。
一定のペースで“無心で走る”を目標にしていたのですが、30kmを越えた瞬間に悟りました。
――無心で走るなんてできない。
全身の疲れや痛みと格闘しながら、むしろ何か別のことを考えないと止まりそうになる。
そんな極限状態の中で何故かふと思い浮かんだのが、少し前の新聞記事でした。
大手電機メーカーのシャープが来期にかけて増益を見込んでいるというニュースがありました。
背景には、米マイクロソフトの「Windows10」サポート終了による駆け込み需要などがあるとのこと。
「シャープペンシル」から社名が生まれた大阪の企業
有名すぎるエピソードですが、社名の「SHARP(シャープ)」は、
創業者・早川徳次氏が発明した「シャープペンシル(Ever-Ready Sharp Pencil)」に由来しています。
つまり、私たちが普段使う“シャーペン”という言葉のルーツはこの大阪の企業にあるのです。
車窓から見えた「SHARP」に誇らしさを感じた頃
2016年、シャープは経営再建のため、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業グループの傘下に入りました。
日本の大手電機メーカーとしては初めて海外企業の支援を受けたケースです。
私自身、特別に思い入れがあるわけではありませんが、JR阪和線で天王寺駅に着く直前、かつての本社ビルの前を通過するとき、
車窓から見える「SHARP」のロゴを目にすると、大阪本社の大企業としてどこか誇らしく感じていました。
液晶パネル工場が堺にやってきたときの期待
堺市堺区の旧・新日鉄堺製鐵所跡地に、シャープが液晶パネルの大規模工場を建設したのは2000年代後半のこと。
「堺に巨大な液晶工場ができる!」と地元では期待が高まりました。
私も堺出身で、ゆびすい労務センターの本社も堺。
堺が再び“ものづくりの街”として活気づくのではないかと感じました。
しかしその後、液晶市場の競争が激化し、経営は難局を迎えます。結果的に鴻海グループとの提携を経て、現在の姿へとつながります。
USJが堺にできていたかもしれない世界線
堺工場も2024年に液晶パネル生産を終了し、今後はKDDIのデータセンターとして新たな活用が進むそうです。
“ものづくりの象徴”が“デジタルの拠点”へと姿を変える——時代の移り変わりを感じます。
そしてこの土地、実はかつてユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の有力候補地だったことでも有名です。
もし堺にUSJができていたら、いま難波で止まっている人の流れが堺まで延びていたかもしれません。
たまに地元に帰り、シャープ工場近くの映画館に行くたび、そんな“もしも”を思い浮かべます。
関西発の企業にこだわりを持つ
私自身、モノを買うとき、特にこだわりがない場合はできるだけ関西の企業のものを選ぶようにしています。
ちなみに我が家のテレビは「上新電機(JOSHIN)」で買ったシャープのアクオスです。
私は現在、名古屋で勤務していますが、生まれ育ちは堺。
2025年の大阪・関西万博でも盛り上がった地元が少しずつ活気づいていくのを見ると、なんだかうれしくなります。
シャープのニュースもそうですが、関西が元気になる話題は、離れていてもやっぱり気になりますね。
そして、このコラムを書くにあたってシャープを改めて調べてみて、初めて知ったことがありました。
実はシャープの創業地は大阪ではなく、東京・墨田区なんだそうです。
……え、俺のアクオス、大阪発祥の会社やと思って買ったのに。
でもまあ、気持ちはずっと“大阪のシャープ”です。
ちなみに神戸マラソンの結果ですが……
あの地獄の30km以降を乗り越え、なぜか自己新記録、出ました。
人間、追い込まれると変なスイッチが入るものですね。
名古屋支店
特定社会保険労務士 山口征司
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