保険は「入りっぱなし」が問題になりがち
日本では保険に加入するタイミングが似通いがちです。
典型的には、就職、結婚、出産、住宅購入といったライフイベントの節目。
つまり「必要性をじっくり検討した結果として加入する」というより、「人生のイベントで勧められて加入する」流れが強い印象があります。
保険商品を体系立てて学ぶ機会も多くないため、会社に来る営業担当者や代理店の助言をきっかけに決めるケースも少なくありません。
さらに厄介なのは、加入後に見直さず“入りっぱなし”になりやすいことです。
自分が払っている保険料で、どんな保障をどの条件で受けられるのかを正確に説明できる人は、意外と多くないのが実情です。
最初にやるべきは、保険証券を読むこと
この分野については、私自身まだ勉強中の身ですが、本を読んだりしながら少しずつ学んでいます。
そんな流れもあって、たまに知人から保険の相談を受けることがあります。
そのたびに感じるのは、「自分の入っている保険の中身をちゃんと理解している人って意外と少ないんだな」ということです。
ライフイベントごとに“その時おすすめされた保険”を積み上げてきた結果、内容が曖昧なまま保険料だけ払っている状態になりがちです。
保険以外の買い物で、よく分からないものに長期間お金を払い続けることはあまり起こりません。
だからこそ、保険はまず「取扱説明書」にあたる保険証券(約款を含む)を読み、現状を把握することから始めてほしいと思います。
(……と、ここまで偉そうに言っていますが、正直ついこないだまでの私もまさにこの状態でした。)
見直しを考えるなら、思考停止せず、最初の一歩としてここを避けないのが大切です。
保険の棚卸しは、見直す・見直さない以前の必須作業
保険には個人の価値観が反映されるため、「この入り方が絶対の正解」と言い切れるものはありません。
ただし、保険は長期間にわたり、決して安くない保険料を払い続けることが一般的です。
にもかかわらず「何に入っているのか分からない」状態は、家計の健全化という観点からも大きな問題です。
年末調整でも、控除証明書が多すぎて台紙に貼りきれないほど加入している方を見かけることがあります。
保険はライフステージに合わせて見直して損はありません。見直した結果として「現状維持」を選ぶのも立派な判断です。
大切なのは、一度すべて棚からおろし、内容・目的・重複・必要性を整理して“分かる状態”にすることです。
相談するなら「利害関係のない相手」に
自分で学んで結論を出しても、最後に他人の意見を聞きたくなるのは自然なことです。
ただし注意したいのは、相談相手に利害関係がある場合です。
保険会社の営業担当や保険代理店は、仕組み上どうしても商品提案へつながりやすく、利益相反が起こり得ます。
(もちろん、彼らも経済活動として行っているだけで、批判する意図はありません)
だからこそ、助言を求めるなら、特定の商品を売らない立場で客観的に見てくれる中立なファイナンシャルプランナーなどに相談するのが安心です。
良い助言にはコストがかかる(だからこそ価値がある)
ファイナンシャルプランナーへの相談は、基本的に相談料が発生することが多いでしょう。しかし、価値のあるものには相応のコストがかかるのが普通です。
無料相談は保険に限らず、何らかの“目的”があるケースも少なくありません。
それ自体が悪いわけではなく、誰もが生活のために仕事をしている以上当然でもあります。
だからこそ、保険を本気で整えたいなら、「無料かどうか」ではなく「中立性と納得感」を基準に選ぶことをおすすめします。
今年こそ、保険を“わかる状態”にする
年末調整のタイミングは、保険を点検する絶好の機会です。
見直す・見直さないの前に、まずは保険証券を読み、加入状況を棚卸しして整理する。
これだけでも家計の見通しは大きく変わります。
保険は、入ることよりも「理解して持ち続けること」が大切。今年こそ、保険を“わかる状態”に整えてみてはいかがでしょうか。