2026.02.16
金に執着すると、だいたい道を踏み外す
「そこまでして金が欲しいか?」と、思ってしまった事件です。
プルデンシャル生命保険で、元社員ら100人以上が関与し、総額約31億円にのぼる詐取などの不適切な受領が発覚しました。
登場人物の多さと金額のスケールに、まず驚かされます。
そしてふと、思い出したのが――プルデンシャル生命に勤めていた大学時代の友人、W君。
彼は、今どうしているのだろうかと。
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普通に詐欺やな、と思った手口
報道されている不正行為は、大きく分けて3つです。
1つ目は、社員持ち株制度を装った詐欺。
「社員しか買えない株がある」「絶対に利益が出る」「元金保証」
――そんな甘い言葉で金を集めていました。
2つ目は、顧客の保険料を立て替えた後、実際より多く請求する行為。
3つ目は、架空の金融商品への投資を持ちかけて金を受け取るというもの。
冷静に見ると、いや冷静に見なくとも、普通に詐欺です。
プルデンシャル生命では、保険営業担当のことを「ライフプランナー」と呼ぶそうです。
……いや、誰のライフをどうプランするんだよ、という話ですね。
背景にあった「取れた人が偉い」世界
この事件の背景として指摘されているのが、同社の報酬体系です。
保険業界の中でもプレデンシャル生命は特に収入に占める歩合給の割合が高く、
契約が取れるかどうかで収入が極端に変わる世界です。
特にプルデンシャル生命は、入社3年目以降はフルコミッション(完全歩合制)。
この傾向が、より強くなります。
私自身も、営業色の強い仕事をしていた時期があります。
そういう世界では、「取れた人が偉い」という価値観に、簡単に染まります。
当時の私も、正直そう思っていました。
その価値観が行き過ぎると、相手をだましてでも契約を取ろうという発想に至っても、不思議ではありません。
身近な話でいえば、携帯電話を契約するときに、
「本当はいらないオプション」を山ほど勧められるのも、根っこは同じ構造だと思います。
今回の件で、もうひとつ話題になったのが、プルデンシャル生命の記者会見でした。
内容そのもの以上に、「そこ?」と感じてしまう場面が目につき、SNSでは炎上状態に。
司会者のダブルカフスがやけにおしゃれすぎる問題。
そして、これだけの大事件にもかかわらず、当初は「第三者委員会は設置しない」と説明していたこと。(何でやねん)
危機対応の場において問われるのは、事実関係だけではありません。
組織がどんな姿勢で向き合うのか――そこに、その会社の文化がにじみ出ます。
(※その後、第三者委員会は設置されることになりました。)
不正が起きやすい仕事の共通点
こうした不正が起きやすい仕事には、共通点があります。
個人の裁量が大きい仕事
顧客と直接、金銭のやり取りをする仕事
保険会社の営業担当は、会社員でありながら、「個人事業主の集団」と表現されることもあります。
まさに、この2点が当てはまります。
だからこそ、不正が起きやすい土壌があったと言えるのかもしれません。
……と、ここまで書いて、ふと自分の仕事を振り返りました。
今の私は、仕事の中で自分で決められることが多い立場です。
お客さまと直接現金をやり取りする機会は減りましたが、ゼロではありません。
この事件を、対岸の火事だと思ってはいけない、
そう感じました。
性善説だけでは、もう守れない
日本の企業には、今もなおファミリー的な文化が根強く残っています。
一度「仲間」として迎え入れた社員を、基本的には性善説で見る。
それ自体は、決して悪いことではありません。
ただし、信じることと、チェックしないことは別です。
どこかに、
金の流れを見る仕組み
判断を一人に任せすぎない仕組み
早めにブレーキをかける仕組み
こうした機能がなければ、人は簡単に道を踏み外します。
今回の事件は、「金への執着が人生を狂わせる」という、あまりにも分かりやすい例でした。
そしてそれは、誰にとっても他人事ではない、
という話でもあると思います。
最後にプルデンシャル生命で働いていた大学時代の友人W君の話。
プルデンシャル生命では、新人が知り合いの名前を100人書かされる――
そんな都市伝説のような営業スタイルがあると聞いたことがあります。
でも、W君から私に連絡がきたことは、一度もありませんでした。
友人を勧誘したくなかったのか。
それとも、私は友人100人に入っていなかったのか。
今となっては知る由もありません。
(連絡先は知っているので、知ろうと思えば知れる。)
名古屋支店
特定社会保険労務士 山口征司
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