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2026.02.09

人材定着は「お金を出したもの勝ち」か?

みなさんは、ご自身の業種の賃金単価の平均をご存知でしょうか。


最新の調査では、平均給与が最も高いのは電気・ガス・熱供給・水道業、続いて金融・保険業です。

一方、最も低いのは宿泊・飲食サービス業で、平均を大きく下回り、金融・保険業の半分にも満たない水準となっています。
ほかには、農林水産業やサービス業が低めの水準に位置し、

医療・福祉、学習支援業等は中間からやや低めの水準にあります。幼保業界は、この中に含まれます。
政府としては、2030年までに宿泊業の賃金単価を、一人当たり月25万円にまで押し上げたい考えを示しています。


なぜ、業種によってここまで大きな差が生まれるのでしょうか。
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宿泊・飲食サービス業が直面している現実

宿泊業は、長時間労働かつ低賃金になりやすい業種です。
入職率が高い一方で、こうした特徴が原因となり、離職率も非常に高くなっています。


業種問わず慢性的な労働力不足が問題になっている今、人材が定着しないことは非常に痛手です。

定着しなければ質の高いサービスが維持できない、サービスを高められなければ顧客を満足させられない、

結果として閉館や廃業に追い込まれることもあります。


また、ベテランが育たず新規入社の社員ばかりだと、既存従業員の負担も大きくなります。

既存従業員のモチベーション低下は、サービス全体に大きな影響を与えます。

宿泊・飲食サービス業界だけが大変か?

確かに、コロナ禍の影響もあり、宿泊業・飲食サービス業の低賃金問題は深刻です。


しかし、人手不足という点では、業界を問わず共通しています。
労働力不足の影響で就職・転職市場は売り手市場となり、若手社員は以前よりも気軽に転職できる時代になりました。


そして、宿泊・飲食サービス業と同じ悩みを、幼保業界も抱えています。

  • 慢性的な人手不足
  • 賃金水準が他業界より低い
  • 賃金が上がりづらい

こういった点は、決して他人事ではありません。
処遇改善等加算制度によって、以前と比べると賃金水準はかなり上がりました。


しかし、ほかの業種もどんどん水準をあげています。要するに、「ライバルは多い」ということです。

「お金を出せばいいんでしょ」は本当にそうか?

ここまで聞くと、
「じゃあ人材は給与が高水準の業界に流れてしまうんだ」
「ない袖は振れない。うちにできることはない」
と感じる方もいるかもしれません。


しかし、賃金が高ければ働きつづけてくれるか、というと一概にそうではありません。


私の実体験として、転職をした友人に話を聞くと
「賃金も福利厚生も良かったけれど、やりがいはなかった」
「3年働いてみて、仕事の内容が好きじゃないと気がついた」
などなど、賃金が高くても転職を選んだ例は少なくありません。


高額の給与は、一時的に人を集めたり、数年間人材を維持したりするには有効かもしれません。


でも「この会社で40年働き続けるのか?」を考えたとき、

人は苦痛な仕事や、やりがいのない仕事、好きではない仕事は続けられないものです。
また、人間関係が良好でない場合も、賃金への満足度に関わらず離職につながることが多いです。

男女問わず、離職理由の2番目か3番目には「人間関係」がよくランクインします。


「やりがい搾取」と言われがちな時代ではありますが「やりがい0、給与最高!」は危険です。

一方、給与があまりに低くてもやりがいだけでは生活ができません。


大切なのは、バランスです。
給与に比べて、やりがいや人間関係は会社や園側でもコントロールできる余地があります。
今隣にいる従業員が楽しく働いているか、顔が曇っていないか。

日々の中で、ふと意識してみるだけでも違ってくるはずです。

 

東京支店
社会保険労務士 篠原里奈

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