2026.02.12
処遇改善の”一本化”のその後 R8.4.1を見据えて、今園が整理したいこと
年度末を迎え、決算対応や次年度に向けた理事会開催のご準備に追われている園様も多い時期かと存じます。
こうしたご多忙の中ではありますが、『処遇改善の一本化』や『人事院勧告分』への対応は、
来年度の人件費・処遇設計に直結する重要なテーマとなります。
本コラムでは、その検討にあたって押さえておきたいポイントをまとめております。
今回は、第一部として『処遇改善の一本化』についてご案内いたします。
皆様ご存じのとおり既に処遇改善は一本化されておりますが、
まだまだ運用に悩まれていらっしゃる園さんが多くございます。
但し、遅くともR8.4.1以降は園としてきちんと就業規則や給与規程に落とし込み、
運用できるようにしていただくことを弊社としては推奨しております。
処遇改善の一本化は、単に「手当の名称が変わる」というレベルではなく、
園全体の賃金体系や人事運用にも関係してきます。
そのため、次のような点を整理しておかれると良いと考えます。
(1) 現行の処遇改善・手当の「棚卸し」
現在支給している基本給、各種手当(職務手当、リーダー手当、キャリアアップ手当等)、賞与のうち、
「処遇改善分」として位置付けている部分を一覧化し、
「どの財源(国・自治体のどの加算等)を原資としているか」、
「恒常的な賃金(毎月の給与)か」、「一時金か」を整理しておくことが有効です。
(2) 職員層・役職構成とキャリアパスの整理
一本化後は、一定の役割・経験・研修などに応じて賃金差をつける設計が前提となる場合が多くなります。
そのため、
・園長・主任・リーダー・中堅・若手といった「層」が現状どのような人数構成か
・名称だけでなく、「どの層にどのような役割・期待を持たせるか」をどう考えるか
・処遇改善分を「どの層に厚く配分するのか」の基本方針
を、法人としてあらかじめ整理しておくことが望ましいです。
(3) 賃金表・手当設計の方向性
一本化により、
・既存の「処遇改善手当」を基本給に組み込むのか
・役割手当・職務手当等として位置付け直すのか
・一部を期末手当・賞与へ振り替えるのか
といった検討が必要になることがあります。
ここでは、
・「毎月の固定給を重視するのか」
・「賞与等の一時金にもある程度配分するのか」
・「経験・役割によるメリハリをどの程度つけるのか」
という、園としての処遇ポリシーを明確にしておかれると、一本化後の制度設計がスムーズになります。
(4) 人件費予算・中期的な見通し
処遇改善の一本化は、当初年度だけでなく、その後数年の人件費水準にも影響します。
・次年度予算だけでなく、2~3年程度の見通しで、人件費比率・収支への影響を試算しておく
・園児数の見込みや、人員配置(常勤・非常勤のバランス)をどうしていくか
といった点も、可能な範囲で併せて検討しておかれると、理事会での説明がしやすくなります。
最後に注意点としましては、今年度からの実績報告では、
処遇改善ごとに誰にいくら払ったのかを明確にする必要がございます。
特に旧処遇改善Ⅰの賃金改善要件分をきちんと支払っているか今からご確認ください。
皆様いかがでしたでしょうか?
結構検討事項が多いといった印象を受けられたかと思います。
ご不明点等ございましたら、弊社の担当社労士へお声がけください。
次回は、「人事院勧告分」についてご案内をさせていただきます。
今回の内容に関するご質問や、その他知りたい労務情報があれば、下記フォームよりご連絡ください。
【ご意見・気になる労務情報フォーム】
https://forms.gle/UMsYU7aQnaJhQ1EA8
東京支店
社会保険労務士 岡村 圭祐
