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2025.06.16

年金制度改正法が成立しました

 令和7年6月13日、年金制度改正法が成立しました。パート労働者の厚生年金への加入拡大や高所得者の標準報酬月額上限の引き上げ、働く高齢者の年金減額緩和(在職老齢年金制度)の見直しなどがその内容です。

 

1.パート「106万円の壁」撤廃(短時間労働者へ適用拡大)

 現行、社会保険の被保険者数51名以上の企業規模要件が段階的に撤廃され、2035年10月には全企業が対象となります。スケジュールは以下の通りです。

2027年10月:被保険者数36名以上

2029年10月:被保険者数21名以上

2032年10月:被保険者数11名以上

2035年10月:全企業

 保険料負担が増える労働者には3年間の軽減措置が講じられる予定で、労使折半負担の保険料については、年収106万円の労働者であれば本人負担が25%になります。事業主の追加支出については国が全額負担するとのことですが、その手順については発表されていません。

 

2.高所得者の標準報酬月額上限の引き上げ

 賞与を除く年収798万円以上の会社員らが対象で、現在65万円の標準報酬月額の上限が、2027年9月から段階的に引き上げられます。

2027年9月:68万円(保険料の増加は約3千円)

2028年9月:71万円(保険料の増加は約5千円)

2029年9月:75万円(保険料の増加は約9千円)

 

3.在職老齢年金制度の見直し

 2026年4月より、賃金と厚生年金の合計が月62万円以下であれば厚生年金を満額受給できるようになります。2024年度の50万円以下から引き上げられ、約20万人が新たに満額受給となります。

 

4.iDeCoの加入年齢上限の引き上げ

 自営業者や専業主婦ら第1号被保険者と第3号被保険者は原則60歳未満、会社員ら第2号被保険者は65歳未満しか加入できない個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入年齢が一律70歳未満に引き上げれます。この改正の施行は、3年以内とされています。

 

名古屋支店 山口 征司

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