2025.07.09
「繰り上げ」と「繰り下げ」、結局どっちが得?年金受給の分かれ道
基礎年金の見直しが議論に
先の国会では、基礎年金の給付水準を底上げする議論が盛んに行われました。
年金制度は世代間の支え合いで成り立っているため、
少子化が進む今、将来の給付に不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
年金の受給方法は3パターン
年金(ここでは老齢年金)には、65歳から受け取る「本来の受給」に加え、
「繰り上げ受給」と「繰り下げ受給」という選択肢があります。
社労士の仕事をしていると、「結局、どっちが得なんですか?」
とよく聞かれますが、その答えは一言では語れません。
繰り上げ受給とは
繰り上げ受給は、65歳より早く、最大60ヵ月(5年)前倒しして年金を受け取る方法です。
ただし1ヵ月あたり0.4%の減額があり、
たとえば60歳で受給を開始すると、24%減額された金額が一生続きます。
繰り下げ受給とは
一方で繰り下げ受給は、65歳より後に、最大120ヵ月(10年)遅らせて受給する方法。
1ヵ月ごとに0.7%の増額があるため、75歳から受給を始めると84%増の年金を受け取れるようになります。
一度決めたら一生そのまま
注意点は、繰り上げ・繰り下げいずれも一度選択したら一生その額で固定されるということ。
つまり、長生きすれば繰り下げ受給の方が得になりますが、
逆に早く亡くなると、繰り上げ受給の方が「得」だったという結果になります。
「どちらが得か」は、人によって違う
冒頭の質問に戻ります。「繰り上げと繰り下げ、結局どちらが得ですか?」という問いの答えは
──「人によります」が正解です。
それでも一つヒントを挙げるとするなら、「後悔のタイミング」で考えてみることです。
繰り上げで後悔するのは「長生きしたとき」
繰り下げで後悔するのは「早く亡くなったとき(天国 )」
天国で後悔する人生か、地上で後悔する人生か。究極の選択ですね。
専門家の意見を交えて判断を
ちなみに最近読んだ本では、70歳まで繰り下げるプランが推奨されていました。
65歳までは再雇用等で働き、退職金や私的年金で生活を支え、
70歳から42%増額された年金を受給するという戦略。理にかなっていて、非常に参考になりました。
とはいえ、ライフスタイルや健康状態、家族構成など人それぞれ。
自分にとっての最適解を見つけるには、情報収集と専門家への相談が欠かせません。
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特定社会保険労務士 山口征司
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